皆さんは名古屋テレビ塔(現:中部電力 MIRAI TOWER)をご存じでしょうか?
名古屋市近辺の小学校に通っていた方だと一度は校外学習等で登った経験があると思います。
今回のブログでは歴史を、年代別で何が起きたのかまとめていきます。
・1950年代~
1953年、名古屋テレビ塔株式会社設立。
名古屋経済界の主要企業・有力企業が集結し、日本で初めての集約電波鉄塔を建設するために会社が設立されました。
当時は現在のような工事用器具もほとんどなく、人力での手作業がほとんどの工事だったそうです。
一年後の1954年6月20日、名古屋テレビ塔開業。
当時、東洋一の高さを誇る全長180メートル。その姿は「東洋のエッフェル塔」とも言われた。
開業当日の入場待ち時間は3時間。
展望台行きのエレベーターは2台両方ともフル稼働していたそうです。
1955年、展望台にて初めての空中結婚式が行われたそうです。
1955年1月17日に雲の上を思わせる空中の展望台で結婚式が執り行われました。
当日は、テレビ・ラジオ・新聞もこの結婚式の慶びを伝えました。
そして日本だけではなく、イタリア・ミラノ市の新聞にも掲載され、題名「美しくてめずらしい日本の結婚式」と紹介されました。
1956年、開業2周年事業としてクライミング競争を開催。
競争内容は、地上から展望台までの階段早登り競争。
階段の段数なんと、393段!
すべての参加者が参加できたわけではなく、応募者から当選した人のみができたそうです。
その応募者数は600名、その中から60名の人たちが選ばれて、競争に参加したそうです。
そして優勝したのは当時21際の大学生、賞品は電気洗濯機・ラジオ・扇風機などが送られました。
その後も開催されると思いきや、あまりに過酷な競争のため、この一回のみで終わりました。
「最初で最後のクライミング競争」となりました。
・1960年代~
1968年、地上100メートルに展望バルコンが完成
名古屋テレビ塔の展望台上部にある展望バルコンは1968年6月20日、開業から14年目の誕生日に完成しました。
展望バルコンは天井がなく、金網の状態で、塔の上部まで見えるうえさわやかな風が吹き抜けていたそうです。
・1980年代~
1989年、ライトアップ開始。
昭和から平成へ変わった1989年、名古屋市制100周年記念事業「世界デザイン博覧会」が開幕しました。
テレビ塔も日没から午後10時まで、ナトリウム灯で照らしました。
・2000年代~
2005年、国の登録有形文化財に認定。
全国のタワーで初となる登録有形文化財に認定されました。
2008年、恋人の聖地に選定。
恋人たちのプロポーズスポットとして、「恋人の聖地」認定。
今も昔も恋人たちのデートコースとして親しまれており、展望では多くのプロポーズや結婚式が行われました。
野外展望台スカイバルコニーには「恋人の聖地」の認定プレートが設置されています。
2011年、アナログ放送が終了。
アナログ放送が終了し、デジタル放送へ切り替わったことで、名古屋テレビ塔は集約電波鉄塔としての役目を終え、観光タワーとして新たな一歩を歩み始めました。
2013年、日本夜景遺産に認定。
民間組織「日本夜景遺産事務局」が選定する日本の夜景地として、幻術的価値・土地柄・所在地に対する大きな文化的影響等の基準に基づき、認定。
高層ビルが増える名古屋街中において、360度のパノラマ夜景が楽しめるのは名古屋テレビ塔ならではです。
2014年、開業0周年・ライティング「煌」を開始。
開業60周年を機にライトアップがパワーアップしました。
塔体の中心部に1万球以上のLEDが設置、ダイヤモンドの輝きをイメージしたライティング「煌」を開始しました。
様々なイベントやテーマに合わせたライティングを行い、名古屋の夜の街を彩っています。
2019年、開業以来初となる全体改修工事
1954年の開業以来初の、全体改修工事を実施しました。
2019年1月より休業し、大規模工事が始まりました。
今回の工事で、世界初の工法による免震装置を設置、震度6強程度の地震にも耐えられる強度を持ったタワーへと変化しました。
2020年、グランドオープン。
2019年から始まった大規模工事を終え、2020年9月18日にグランドオープンしました。
外観はそのままに、塔内を一新。
テレビ塔の意匠を生かしたホテルも誕生しました。
2021年、新名称「中部電力MIRAI TOWER」へ。
名古屋テレビ塔株式会社は中部電力株式会社とパートナー関係を結び、中部地区がより元気になるように連携することとなりました。
これに伴い、名称も「名古屋テレビ塔」から、2021年5月より、現在も呼ばれている「中部電力MIRAI TOWER」へと変わりました。
同年、中部電力MIRAI TOWERスカイランを開催。
1956年に開業2周年事業として行われた早登り競争が65年の時を経て、階段垂直マラソン「中部電力MIRAI TOWERスカイラン」として復活しました。
事前応募にて集まったおよそ350名の参加者は、各部門ごとに分かれ、地上90mの展望台にを目指して駆け抜けました。
2022年、全国のタワー初、国の重要文化財に指定。
中部電力MIRAI TOWERは、歴史的・技術的価値が認められ、2022年12月12日に全国のタワーで初めて、国の重要文化財に指定されました。
1954年開業当時、戦災の傷跡残る名古屋の街で、多くの難関を乗り越え、その後に続く全国のタワーの先駆けとして建設されました。
いかがでしょうか?
今回の記事では歴史をまとめてみました。
名古屋生まれで校外学習にてまだテレビ塔だった際に行ったことある人にとっては
すでに知っている情報だったり、初めて知る情報もあったりと、いろいろだと思います。
役割を失った今でもシンボルとして、観光名所としてこれからも発展していってほしいですね。
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